アフリカスタートアップ最新動向!「Startup Battlefield Africa」編

2017.11.06

KVPインターンの木村です。

10月某日、アフリカでの第1回目のTechCrunch主催のピッチイベントがケニアの首都ナイロビで行われました。今回は出場した企業の事業内容と共に、人口の3分の2が24歳以下のアフリカの市場の現状と課題を4回に渡ってお届けしていきたいと思います!


今回の参加企業を9つのジャンルにカテゴライズそれぞれ以下の企業数が出場しました。

 

今回の出場した企業の中で優勝したのはトラック版のUberを展開する「Lori Systems」。またSocial good categoryを受賞したのは小規模農家のためのEコマースプラットフォームを提供する「AgroCenta」でした。上記二つを詳しく解説すると共に残りの企業概要を紹介します。

 

<物流系>

Lori Systems

アフリカの物流(主に運送と貨物)を効率化するツール、トラック版のUber

-課題-

アフリカは商品のコストの75%を物流コストが占めている(アメリカは6%)。

現状、メーカーと運送会社の流動性が低く、かつ中央集権的なオペレーション方法でないという点がやアフリカの物流トラックは93%が空の状態で運ばれているなどの問題点があった。

 

-サービス内容-

ドライバーとはFacebookやWhat’sUpで連絡を取り合い、天候やトラックの故障等で配送が遅れているトラックに連絡をして、近くにいるトラックに交換させるなど中央集権的なオペレーションを可能にする。

 

-同じような海外のサービス-

アメリカ:CONVOY (設立: 2015 資金調達総額: $80,500,000)

中国:Huochebang (設立: 2008年 敷金調達総額: $327,000,000)

インド:BLACKBUCK(設立:2015 資金調達総額: $107,685,946)

 

<アグリテック系>

AgroCenta

 

小規模の農家が中間搾取するバイヤーを介すことなく、直接市場と繋がることができるプラットフォームを提供。

-課題-

中間搾取するバイヤーによって利益を正当に得る事ができてない問題がある。そうしたバイヤーが存在しているのは、農作物を売り場まで運ぶインフラや卸先の特定が困難だったから。

 

-サービス内容-

市場までの輸送のため近場にいるトラックをメッセージや電話1本で呼び寄せることが出来たり、マーケットの作物の価格を知ることができたりするサービスなどを展開している。これにより、農作物の販売までの過程を一部オンライン上で可能にし、販売までのロジスティクスを一括管理・委託することにより、現状の中間搾取を多くするバイヤーからの利益損を回避できる。7000近くの小規模農家の人が利用(2017年1月現在)し、市場にかなりのインパクトを与えている。

 

<Fintech系>

WeCashUp

スマホで決済をすることのできるアプリ。月額利用金額によって月に手数料としてユーザーが課金するモデル。使用額が5000€以下の時は支払いは50€/monthとなる。アフリカの34%の人しか銀行アカウントを持っておらず(8億人が銀行口座やクレジットカードを持っていない)、海外とのビジネスをする際の送金手段などに利用が期待される。

 

<エンタメ系>

Big5 Games

 

レースやサッカーゲームを製作するゲーム会社。アフリカでは通信量が2Gが半数を占め、通信インフラが整っていない、そうした環境でもゲームを楽しめる様に工夫している。特徴的なのがアプリをダウンロードせず、フェイスブック上でゲームができること、「Facebook Lite」のように携帯の性能が低くても遊べるようになっている。

 

Tango TV

Apple TVのアフリカ版のようなサービス。

デバイスをテレビに接続することで様々なチャンネルを閲覧可能になる。

テレビの普及率は2016年 から2021年にかけて30%成長すると予想されており($12 billionから$15.6billionに成長)、市場としてはまだまだ成長余力のあるところ。

 

<リテール系>

Delivery Science

企業の業務効率化を促進するSaaS。顧客の支払いその場で受けることができる、従業員の業績などをデータ化しデータ・ドリブンな分析を反映する、営業先が一覧で表示されるなど。

 

Sellio

 

メルカリのアフリカ版のようなもの。売り手はFecebookに売りたい写真を投稿し、広告を自動作成し、運用。興味を持った顧客に対して自動的に個別のメッセージで商品の詳細などを送り、コンバージョンを高めてくれるサービス。(アフリカなどでは日常的にFacebookのグループで物の売買が行われているらしく、その効率化ツール)

 

SynCommerce

複数のコマースサイトを一括で管理することができるサービス

 

<Medical系>

ConnectMed

自宅や近場の薬局に医者を呼ぶことができるサービス、また処方箋を発行し薬まで届けてくれる。電話での遠隔治療にも対応している。2013年にアフリカでは180万人医師が不足しており、その不足数は2035年までに430万人に増えると予想されています。そうした課題を解決するサービスは今後必然性とともに増えていくのではないでしょうか。

 

<Edtech系>

M-Shule

小学生の学習指導の補佐をするAIサービス。生徒の進捗状況を蓄積し、学校の先生に通知、その子に最適な問題が先生にレコメンドされ、その子に出題する。SMS、問題も付随して

送られる。

 

Dot Learn

オンライン動画授業サービス。スタディサプリのようなもの。アフリカではPCの値段もそうだが、通信料が1時間に10ドルと高いため、独自の方法で通常のMP4での再生よりも通信量がかからない方法でサービス展開。

 

<HRTech系>

talent2africa

人材マッチングサービス、優秀なアフリカ人をリクルーティングする。

 

<その他>

Form+

様々なフォームを簡単に作ることができるサービス。文字を入れるボックスやメアドのボックスなどをドラック&ドロップするだけで直感的に作成することが可能。

 

Abacus Invest

Angellistのアフリカ版のようなもの。スタートアップがまとめられており、また気になるマーケットに関するニュース記事を独自で配信する、海外からの調達を可能にする(海外の企業から融資を受けられる法律のないアフリカでは重宝される機能 

 

最後に

 

今回のピッチで印象的だったのはアフリカ独自の環境に合わせたビジネスモデル(通信環境が悪い中でのオンライン教育サービスや銀行口座がない人が仕送りなどをできるようにするサービスなど)が多かったことでした。また全てのサービスにスマホやウェブが使われており、通信環境のインフラの変化が読み取れました。そこで明日から3夜連続でアフリカのアフリカスタートアップ最新動向!と題し、「通信環境」「Fintech業界」「ゲーム業界」のアフリカの現状を投稿していきたいと思います。乞うご期待!!

 

アフリカスタートアップ最新動向!「Startup Battlefield Africa」編

アフリカスタートアップ最新動向!市場環境「通信環境」編

アフリカスタートアップ最新動向!市場環境「ゲーム」編

アフリカスタートアップ最新動向!市場環境「Fintech」編

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