ライブコマース、5つの成功背景とは?

2017.08.25

Posted by KVP_official

KVPの木村です!

先日行われたB-Dash2017夏でもセッションが行われたように、国内ではメルカリ、SHOPLISTなどが参入を開始した今注目のライブ動画コマース市場。中国では昨年頃から同市場が形成され、今では2時間で3億円売上プラットフォームになっています。そんなライブ動画コマースの市場の国内外のトレンドについて調べてみました!

 

 

「Eコマースにおける動画コンテンツの将来性」

 

①BtoC Eコマース市場の拡大

日本国内のBtoCにおけるEC市場規模は15兆1358億円、対前年比9.9%の伸び率(参照: ebisumart Media)グローバルマーケットでは2016年は22.5%の伸び率を記録し、今後も拡大傾向(参照:EcommerceFoundation)。

②モバイルデータにおける動画視聴割合の増加

動画トラフィックがコンシューマートラフィック全体に占める比率は2016年の73%から2021年には82%に上昇(参照: Cisco)。

③世界でのスマホデバイス普及

アフリカでは2020年までに2.26億台のスマートフォンが普及し(2016年は8700万台)、3G,4Gにアクセスできるデバイスの割合が6割に達する(2016年は2割)と見込まれています(参照: GSMA)。
以上のデータから今後世界的に動画を視聴することができる環境が整い、かつ消費行動における動画視聴のニーズの高まりを予想することができます。今回は動画コマースの現状について考察していきたいと思います。

 

「動画コマースの3つの種類」

動画コマースには大きく分けて3つの種類が存在しています。その中でも近年、アメリカや中国で人気となっている「ハウルビデオ」について詳しく考察していきます。

 

①プロダクトビデオ

プロダクトビデオとは、主に商品の機能説明や使用用途などの動画です。国内ではFacebook等でのバイラルメディアとしてお馴染みのbouncyなどがあります。
2017年5月には楽天がEC事業者向けの動画作成ツール「FastVideo for 楽天市場」の提供を開始するなど、誰でも手軽に動画でのプロモーションをできるようになっています。

②ユーザーサポートビデオ

ユーザーサポートビデオは、ユーザーをサポートするための動画です。商品の使い方や、商品のメンテナンス動画など、カスタマーサポート性の高い内容を配信しています。顧客の満足度向上などに効果があります。

③ハウルビデオ

ハウルビデオは、商品の紹介を企業ではなく、顧客自身がするというものです。その商品の感想や、活用法などを動画にして配信します。一昔前はYouTubeなどが商品の紹介をすることが主流で、人々はお気に入りのYouTuberの動画を参考に購買行動に臨んでいました。最近では、ライブコマースがE-commerceでの「信用性」の補完という意味合いから人気を博し、中国ではジャン・ダーイーが2016年の1年間で1人で50億円もの利益を挙げたネットセレブとして盛り上がりを見せています。日本でもメルカリやSHOPLISTなどが相次いで参入を表明し、今注目を集めています。

 

今回は動画コマースのハウルビデオの中でも、中国で爆発的な人気をみせ、日本でも参入する企業が増えてきた、リアルタイムで動画を配信するライブコマースに焦点を当てていきたいと思います。

 

「ライブコマースが受け入れられるようになった経緯」

2015年頃から米国でトレンドとなったモバイルライブ動画。2014年に創業したモバイルライブ動画プラットフォームのPeriscopeは2014年1月にTwitterに買収され、16年3月時点で世界累計2億件以上のコンテンツが配信され、1日当たりの動画視聴時間は96万3600時間に相当します。2016年4月にはFacebookがFacebook Liveをローンチするなど、この1~2年でライブ配信は自然なものとして受け入れられるようになりました。米国では若干18歳でハウルビデオ使って数千万円の収入を得ているケースもあります。

 

「ライブコマースが人気となった5つの背景」

①若者の消費行動の変化

「インスタで服を探す人が急増中?リアルな商品の着こなし方から商品の購買行動に繋げる現代人」

近年女性の消費行動は大きく変化しています。Instagramで女性の61.5%がハッシュタグ検索をし(10代~20代は70%以上に達します)、その中で41.5%のユーザーが購入経験あり(その中で20代60.5%が購入を経験)という(女性Instagramユーザーの約6割がハッシュタグ検索を利用、 そのうち約4割が検索からの購買経験あり ~ハッシュタグ検索は「購入」を目的として活用される傾向に~)。そうした傾向の理由として挙げられるのが、今の若者は購入する際に「リアル」を求める傾向にあるといいます。雑誌は作られていて「リアル」ではない、Google検索はSEO対策されいていて「リアル」ではない。そんな考えから、Instagramでお気に入りのアカウントをフォローして購買行動に臨むそうです。(Googleは使わない、SEO対策しているから——Instagram有名人のGENKINGが語った10代の「リアル」)

今回の動画コマース人気はこのインスタのハッシュタグの検索に似ていると考えます。自分のお気に入りな子を見つけ、その子の動画配信に参加し、スタンプやコメントなどを通し、相互にコミュニケーションをとり、好きな子が紹介する好きな情報を浴び、その場で購買行動に繋げる。リアルタイムで得られる情報の方がリアルだという思考が垣間見えます。

 

②サービスに求められるUXの改革

「eコマースでの購入は退屈。ライブコマースはeコマースに求められる新たなユーザー体験の形」

昨今、優れたUXを顧客に提供し、伸びているサービスがあります。「Uber」「Airbnb」などです。「Uber」は自分の近くにいる車に乗るという体験。「Airbnb」は一般人の空き部屋に宿泊するという体験、最近では陶芸やダイビングなど宿泊と同時にアクティビティを提供することも始めました。ライブコマースはeコマースにUberやAirbnb同様に起こしたUX改革です。amazonなどで商品を注文するだけではなく、出品者と相互にコミュニケーションを取れるという新たな購入体験がユーザーに受け入れられています。

 

③C2C商取引のカギである「信用」の補完という意味合い

売り手はカメラの前で実際に販売する商品を説明し、リアルタイムのチャットで質問を受け付けます。そうすることで売り手と買い手の情報の非対称性を減らすことができます。そうして情報を提供することにより、買い手に対して安心感を与え、それが信用に繋がっていき、購買へと続くようになると考えます。

 

④「バンドワゴン効果」による、消費行動の助長効果

1度に多くの人が同時に視聴し、その場で商品を購入した人が他の視聴者にもわかるというライブコマースの特徴が「バンドワゴン効果」を生み出し、経済学的に購買行動が高まるという効果を生んでいます。以下(メルカリ)の場合は右横にスタンプ、そして中央下にはコメント欄があり、自分以外の他人の商品における、リアクションを知ることができ、購買行動を助長させます。

ライブコマース開始時に、すぐに商品を売るのではなく、ファロワーとの会話を楽しんだり、また出品する商品の思い出話を語ったりします。その後、出品者のタイミングで商品をメルカリ上に出品します。ほとんどの商品は出した瞬間に完売となっています。

「即売れるポイント」

・出品する商品の思い入れを文章ではなく、実際の生配信で聞くことによって共感や理解が深まり、購買に繋がりやすくなっている。

・コメントやハートのスタンプ(共に無料で無制限に使用可能)

 

<ライブチャットトップ画面

 

⑤ライブコマース上での購入画面への遷移の容易さ

メルカリチャンネルでは左下のボタンを押すだけで、商品の購入が面に飛ぶことができます。

 

 

「海外のハウル型ライブ動画コマースプラットフォーム事例」

タオバオ

 

中国の大手eコマース企業Alibaba(アリババ)傘下のショッピングサイト

2016年5月にリリース。視聴者の約8割が女性。20時~22時に多くの購入者が商品を購入する。視聴者の半数がPost-90s世代(1990年〜2000年に生まれた層)。

有名配信者のEve Zhangさんは2時間のライブコマースで41万人にリーチする。

1回の生放送で視聴者数が数千人、年間売上2桁億円。

 

モグジェ

 

 

中国で利用者数1億3000人を越えると言われるファッション系のeコマースサイト。ファンが多く影響力の大きいブロガーを意味するKOL(Key Opinion Leader)のサイトで、UUが通常の10倍、売上は67.3%アップした事例もあります。

 

Suning.com

 

2016年8月からライブコマース配信を開始した中国の企業。

 

Busker

 

アメリカのライブ動画配信プラットフォームです。ミュージシャンやイラストレイター、デザイナーなどが自分たちの作品を紹介するために使われることが多かったが、本サービスは2016年に新たにeコマース的要素を加えることとなりました

 

 


CARTCAM

 

 

商品のレビューを動画投稿することでその商品のディスカウントを受けることができるサービス。30%~100%のディスカウント。

 

Periscope

 

Twitterが提供しているスマートフォンでの生中継配信・閲覧が可能なアプリ。2015年1月にTwitterによって買収された。Twitterから直接ライブ配信を行うことができるのが特徴。ハートを送ったり、メッセージのやりとりを配信者と視聴者が相互に行うことができます。2017年6月には「スーパーハート」機能を追加し、投げ銭的な使用も可能となりました。配信コンテンツは24時間はアーカイブされ、以後は消えます。

 

Facebook live

 

 

2016年4月から開始。Facebookからの直接LIve動画を配信可能。コメントやスタンプで配信者とコミュニケーションを取ることが可能。

 

Instagram Shop Now

 

2016年11月、ユーザーがInstagramで見つけた商品をWEBページに遷移しなくてもInstagram上で買い物ができる機能「Shop Now機能」を発表。

Instagramユーザーは投稿画面に商品アイテムタグ(商品名・価格)を最大5つまで設定することができ、フォロワーが商品に興味もち、そのタグを選択すると、その商品の詳細情報を掲載したInstagramページに遷移します。さらに、「Shop Now」ボタンをタップすると商品購入ページへ誘導することができます。「Shop Now機能」はECサイトに遷移することなく、Instagram上で商品を閲覧、比較し購入でき、Instagram上でEコマースで実現する機能です。まずはアメリカの国内のiOSユーザー限定のようです。

 

 

「国内のハウル型ライブ動画コマースプラットフォーム事例」

 

メルカリチャンネル

 

2017年7月ローンチ。出品者はライブビデオを行い、商品を販売していくそうです。視聴者はリアルタイムに質問やスタンプ等でのアクションを起こすことができます。まずは芸能人を起用してサービスを開始しています。一般人は現在は抽選当選者のみがライブコマースを行えます。

 

 

 

SHOPLIST live

「ライブ配信× コマース× インタラクティブ」をうたうライブコマースアプリ。モバイル向け動画制作を手がける「Candee」がSHOPLISTを展開する「CROOZ」と協業しての配信となっています。

 

 

Chips

 

 

誰でも自由にライブコマースのチャンネルを開設できます。フェーズとしては商品の売買というより、出品者がフォロワーを増やす意味合いが強く、購入者とのコミュニケーションが重視されているように感じました。

 

 

 

「終わりに」

現状の国内の主なライブコマースサービスの現状を独自で調査しまとめてみました!

配信者セグメントに関しては、SHOPLISTは芸能人やインフルエンサーからの展開、メルカリは8月を機に、一般ユーザーへの公開を大幅に進め、両者で戦略の相違が生まれ始めています。コンテンツの質では、SHOPLISTが頭一つ抜けている印象、メルカリとは配信者が違うので単純比較できないが、動画コンテンツを生放送後もオンデマンドで視聴可能になることからもクオリティーに対する考えが伝わりました。(実際に1本20万円~30万円の制作費がかかっているそうです)。

市場環境的にも整ってる動画コマース市場。その中でもライブコマースの分野はCtoCの市場に置ける懸念点や他の消費者と自分との関係性から織りなす購買欲を刺激することができます。

今後は、農地での収穫、漁師の釣り、などの様子をライブコマースし、美味しい食べ方の提案や生産環境を投影することによる消費者への信頼の獲得の手段として利用されるといったこともありそうだと思いました。

 

「この記事を読んだ人へのおすすめ記事」

 

資金調達総額約1716億円!クオリティ重視型新興メディアの3つの特徴とは?|News|KLab Venture Partners株式会社

  • このエントリーをはてなブックマークに追加